今は点滴の滴下計算付きタイマーも販売されていて、新人さんも計算機で滴下数を計算することも減っているかもしれません。
点滴タイマーがない場合は滴下数を計算すると思いますが、学校で習った計算式ってややこしくなかったですか?かけて割って、時間がかかります。でも、もっと簡単に計算できる方法がありますよ♪
点滴滴下数の簡単な計算方法
輸液セットには、1mlあたり約20滴(成人用)と60滴(小児用)の2種類があります。
60滴の輸液セットの場合
1分の滴下数 ⇒総量÷点滴を行う時間
10秒の滴下数 ⇒総量÷点滴を行う時間÷6
5秒の滴下数 ⇒総量÷点滴を行う時間÷12
点滴の量を落としたい時間で割れば、1時間の量が出ます。その1時間量を滴下を合わせやすい秒数で割ります。
10秒の時は、1分60秒に対して10秒は6分の1なので、6で割ります。
5秒の時は、同様に12分の1なので、12で割ります。
例えば、500mlの点滴を5時間で落とす場合
500(ml)÷5(時間)=100ml/h 1時間に100mlです。
10秒の滴下数は、この1時間当たりの点滴量を6で割りますので、100÷6≒16.6 →10秒に約17滴。 5秒ではその半分の約8滴です。
2秒で3滴ほどですね。
20滴の輸液セットの場合
20滴の輸液セットの場合は、1時間当たりの点滴量を更に3で割ればOKです♪
10秒の滴下数 ⇒総量÷点滴を行う時間÷3÷6
5秒の場合 ⇒総量÷点滴を行う時間÷3÷12
同様に、500mlの点滴を5時間で落とす場合
500÷5÷3=33.3 10秒に約5.5滴 5秒で約3滴です。 2秒で1滴ほどです。
1ml落とすのに60滴かかるのに対して、20滴で1ml落とせるので、1/3の滴下数で同じ量落とすことになります。そのため、3で割ります。
大雑把な合わせ方
20滴(成人用)
・2秒に1滴で100ml/h
・3秒に1滴で75ml/h
・4秒に1滴で50ml/h
60滴(小児用)
・1秒1滴で60ml/h
・2秒に3滴で90ml/h
持続点滴の場合
500mlの点滴を
・500ml×1本/日=500÷24≒20ml/h
・500ml×2本/日≒2倍して40ml/h
・500ml×3本/日≒3倍して60ml/日
これを覚えておくだけで、計算機を使わなくてもたいていの点滴は合わせられます♪
秒数で見ると、持続点滴の場合は小児用ルートを使いますので、小児用ルートの秒数を計算します。
・1時間20mlの場合、小児用ルートで 20÷60=0.3なので、約3秒に1滴、5秒で20÷12=1.6滴です
・1時間40mlの場合では、40÷60=0.6なので、約2秒に1滴、5秒で40÷12=3.3滴です。
・1時間60mlの場合は、60÷60=1なので、1秒1滴、5秒で60÷12=5滴です。
持続点滴は残量も多く、残時間も多くなると計算式で計算する方が早い時もあります。
例えば、1300mlほど残があり、19時間で落とすなどの時は、輸液ルートは小児用を使っているはずです。
1300(ml)÷19(時間)÷12≒5.7滴/5秒 約1秒1滴になります。
点滴滴下タイマーが便利
夜勤では残量がバラバラなので合わせるのが大変なことがあります。私の病棟では20人ほどが持続点滴です。1日のIN量は1000、1200,1500あたりなので、だいたい残量も同じですが日勤で受け持つ看護師によって残量は大きく違っていることもしばしばあります。日勤更新後、滴下しすぎることがないようにと絞ってしまう人も多いためです。もちろん、きちんと合わせている看護師もいますよ♪
なので、似たような点滴量であっても、夜勤の残量はバラバラになっています。そんなときは点滴滴下タイマーが便利ですね♪
日勤でも、持続点滴の更新をする時に、休憩に入る前に更新時間を合わせようとして、例えば残が約270mlを1時間半後等、計算するにはややこしいような時にさっと滴下数が合わせられるので私は点滴滴下タイマー好きです♪タイマーをつけながら計算をしたり、滴下を合わせることもできるので便利です。
私がおすすめするのはPIPIナースです。私はPIPIナースⅣを長年使っていましたが、とうとう故障しPIPIナースプラスに買い替えました。PIPIナースプラスは、年月日や時間も表示しているので、時計代わりにもなります。
Ⅳの時は滴下音が大き目だったので、深夜に使いにくかったのですが、PIPIナースプラスは音が小さ目なので、深夜にそっと滴下を合わせるときにも便利です。光だけで消音にすることもできます。
ボタン電池を使用していますが、蓋を開けて電池を入れるときの留め具がプラスチックですぐ割れてしまうのがデメリットです。割れていても、そのまま蓋をしてしまえば、問題なく使うことはできます。
滴下を合わせる時の注意点
滴下数を計算したり、点滴タイマーで合わせたとしても、クレンメを握ったまま調節しながら合わせた場合、手を離すと早まることがあるので注意が必要です。
滴下を合わせ終わったら、クレンメから手を離して少しの間滴下数を確認すると良いですよ♪
滴下をきちんと合わせたと思っても、血管の状態や体動、体位変換などで滴下数が変わることがあるので、定期的に観察が必要です。クレンメの時間経過とともに徐々に開いてくることもありますので1時間に1回は確認したいですね。
私は、持続点滴は点滴を吊った時に残量のところにマジックで少しチェックをしています。1時間後確認に行った時に、クレンメで滴下数を確認もしますが前回チェックした時からどの位減っているかも確認しています。残量の減りが早いと感じたときは、体位によって滴下が変動しているかもしれないので滴下確認する回数を増やしたりしています(^^♪
まとめ
新人のころは計算式を使って滴下数を合わせることも必要です。ですが、慣れてくればこのような計算式やざっくりと暗記しておく方法でもいけます。点滴タイマーを使う方法もあります。 やりやすい方法で滴下合わせに慣れていってください♪
コメント