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特定看護師は訪問看護でも活躍できる!

在宅医療の文字と家のミニチュアの画像 特定行為研修
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特定看護師になったあとの活躍の場は、病棟が一番多いです。研修を受ける時も、自施設で実習をするところが多いのではないでしょうか?

そうなると、研修を終えた自施設でそのまま特定看護師として働くので、病棟勤務が多いのかなと思います。研修費を勤務先が負担してくれるなら、なおさらそのまま働きますね。特定行為研修を終えた看護師が訪問看護ステーションで就業している看護師は、看護師全体の4.9%です。

厚労省のサイト (2020年末時点)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/gaikyo.pdf

結論からいうと、訪問看護でも特定看護師は活躍することは、もちろんできます!

訪問看護は一人で判断しないといけない?

青いスクラブを着た看護師の画像

訪問看護って聞くと、一人で利用者さんの居宅に訪問して、一人で関わり一人で判断しなきゃならないと思いませんか? それで、『経験を積まないと、怖い』 『経験積んでいるとしても、一人で判断するのは不安』 などと思い、敷居が高くなってしまう…。

病棟で働いていると、何かあっても、すぐに相談できる上司や先輩看護師、同僚看護師などがいます。医師も病院内に居ますし、連絡すれば診察にきてくれる環境があります。そこが、訪問と病棟の大きな違いなのではないでしょうか。

訪問看護も、完全に一人で判断し、一人だけで仕事をするわけではありません。また、在宅への訪問看護か、施設への訪問看護、施設内訪問看護など環境によっても違いがあります。

私は、今、施設内訪問看護ステーションで働いています。施設看護師ではなく、施設内に訪問看護ステーションがあり、施設の利用者さんの居宅へ訪問をする、訪問看護です。

特定看護師になっても、初出勤するまでは不安もありました。一人で訪問して、判断に迷ったときはどうしたらいいんだろうと、実際に勤務する前は思っていました。

日勤の看護師は一人または二人です。ですが、管理者(病棟でいう師長)にも相談はできますし、施設長もいます。訪問看護ステーションによりますが、リーダー(病棟で言う副師長)がいるところもあります。往診医に相談することもできます。意外と、相談できる相手はいます。

特定看護師としてできること

紫のスクラブを着た笑っている看護師の画像

訪問看護は、利用者に応じて週に1回など訪問する時間と回数が決まっています。次の訪問をするまでの間に予測できること、そのために何をすればよいのかを考えないといけません。

特定看護師は、アセスメントスキルは高いはずです。そのスキルを使ってアセスメントすることで、広い視野で、より先まで考えた判断ができるのではないでしょうか。医師のメガネと看護師のメガネの両方をフルに使ったアセスメントを活かすことができます。

また、創傷管理の特定行為を終了していると「専門性の高い看護師による訪問看護の評価の推進」として、専門管理加算が追加されました。特定看護師にインセンティブを与える動きが加速しています。特定看護師の必要性が認められていくことは、うれしいですね。

令和4年度(2022年度)の診療報酬改定で、専門性の高い看護師による同行訪問を行うための専門研修に「特定行為(創傷管理関連)」が追加されるとともに、専門の研修を受けた看護師が専門的な管理を含む訪問看護を実施した場合に算定できる「専門管理加算」も新設され、特定行為研修を修了した看護師への期待の大きさがわかる

訪問看護師のための診療報酬&介護報酬の仕組みと基本・メディカ出版・清崎由美子、宮崎和香子編著、2023・p39

特定看護師として褥瘡の利用者さんの管理をすることで、月に2500円の加算が取れます。もちろん、褥瘡がはやく良くなるよう適切なアセスメントや体位変換・処置などケアを行っていく必要はあります。

在宅では、まだまだニーズが低いのかと思っていましたが、特定行為研修で得た知識やスキルを役立てることができるようになっています。

専門性の高い看護師による同行訪問の見直し

訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)における専門性の高い看護師による同行訪問について、施設基準の褥瘡ケアに係る専門の研修に「特定行為研修(創傷管理)」が追加されました。

改定前
施設基準 褥瘡ケアに係る専門の研修
・国または医療関係団体等が主催する研修であって、必要な褥瘡などの創傷ケア知識・技術が習得できる600時間以上の研修期間

改定後
施設基準 褥瘡ケアに係る専門の研修
・国又は医療関係団体などが主催する研修であって、必要な褥瘡等の創傷ケア知識・技術が習得できる600時間以上の研修期間
・特定行為研修(創傷管理関連)

専門性の高い看護師による訪問看護における専門的な管理の評価の新設

専門の研修を受けた看護師が、専門的な管理を含む訪問看護を実施する場合、「専門管理加算2,500円(1月に1回)」が算定可能となりました。算定要件と算定対象は以下の通りです。

〇算定要件
 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの緩和ケア、褥瘡ケア若しくは人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師又は特定行為研修を修了した看護師が、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合には、所定額に加算する。

〇算定対象
 イ 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合
 ・悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている利用者
 ・真皮を超える褥瘡の状態にある利用者
 ・真皮を超える褥瘡の状態にある利用者
 ・人工肛門若しくは人工膀胱を増設している者で管理が困難な利用者
 ロ 特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合
 ・手順書加算を算定する利用者
 *対象の特定行為気管カニューレの交換、胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換、膀胱ろうカテーテルの交換、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去、創傷に対する陰圧閉鎖療法、持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整、脱水症状に対する輸液による補正

問看護師のための診療報酬&介護報酬の仕組みと基本・メディカ出版・清崎由美子、宮崎和香子編著、2023・p20~21

他にも手順書を発行している医療機関も月に1,285点算定することもできます。

特定看護師に興味のある方は、こちらの記事も合わせて読んでもらえるとうれしいです。

看護師の特定行為研修の共通科目や研修費用を紹介します
特定看護師になるための、特定行為研修とはどんなものなのか?実際の研修ってどういう流れで行われているのか?経験をもとに説明しています。

まとめ

専門性の高い看護師は、診療報酬改定を通じ、期待の高まりを感じます。今は特定行為区分のなかでも、算定がとれるのは創傷管理だけのようですが、これからの改定に期待できます。

訪問看護でも病棟看護でも、特定行為研修で得た知識を使ってアセスメントをすることは、利用者さん患者さんのためにも必要です。そういった意味では、特定看護師は訪問看護でも病棟看護でも活躍することが既にできていると言えると思っています。

今後、他の特定行為に対しても診療報酬改定が行われていくことに期待したいです。

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