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スキンテアの原因は?スキンテアっていったい何?

両手からキラキラ 看護
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スキンテアとは、皮膚をベッド柵などにぶつけた時などに裂けてめくれてしまう浅い傷のことです。高齢者の四肢に起こりやすいものです。スキンテアは皮膚裂傷のことで、「スキンケア」とは全く別のモノです。

高齢の患者さんの四肢に、いつの間にか傷ができていたということありませんか?スキンテアは、日常よく行う介助で簡単にできてしまいます。

スキンテアの原因はいろいろありますが、やはり一番は加齢による乾燥した弱い状態の皮膚に、摩擦やずれが加わった場合です。

こんなことで?というほどの軽い摩擦やずれでもスキンテアは起こります。
ここでは、創傷管理関連の特定行為研修を修了した特定看護師であるここの管理人”いすず”がわかりやすく解説します(^-^)

スキンテアとは

手首に包帯を巻いている画像

スキンテアは一時的な摩擦・ずれによって、皮膚が裂けて生じる真皮深層までの浅い損傷のことをさします。

「浅い傷」「一時的な」というところがポイントです。

ただ、皮膚の浅いところには、自由神経終末という痛みの神経が残っています。そのため、スキンテアの傷はとっても痛いです。

若い人の腕をつかんでも、特になにも起こらないと思います。でも、同じように高齢者の腕を持つと、皮膚がベロンとむけてしまうことがあるのです。

*寝たきりの方で自分の体重がずっとかかっている状態で、そこがずれたり摩擦が生じてできるなら、それは「褥瘡」になります。

スキンテアの原因

スキンテアは高齢者の四肢にできやすい傷です。なぜなら、四肢は一番動かした時にぶつけやすい部位っだからです。体を横に向ける時に柵にぶつけてしまったり、車いすに移る時にフットレストに足をぶつけてしまうなど、気を付けていても起こってしまうことがあります。

高齢者の皮膚は加齢に伴って、皮膚は乾燥したり、皮膚が余っていたり、皮膚自体が薄くなったりして、かなり脆弱な状態になっています。この、「脆弱な状態」というのが大きな原因です。

加齢による影響はどのようなものがあるでしょう。

・ターンオーバーが延長するため皮膚が薄くなる(菲薄化)

・分泌機能が低下するため、皮膚が乾燥する

・真皮や皮下組織の弾力性が低下する(平坦化)

これらによって、皮膚のバリア機能の低下や物理的刺激を受けやすくなっています。

高齢者は、基礎疾患がある方も多いですし、浮腫・低栄養状態の方もリスクが上がります。

新人ナース
新人ナース

だから、ちょっと腕を持ち上げただけでもスキンテアの原因になってしまうのですね!

 

いすず
いすず

そうなんです。だから患者さんの腕や脚は下からそっと支えてくださいね。

スキンテアが起きやすい状況とその予防法

スキンテアができやすい状況は

・医療用テープを剥がすとき

・オムツ交換などの体位変換時

・ベッド柵にぶつけた

・入浴介助時に腕を支えたら……など、さまざまな介助時に起こります。

医療用テープを剥がすとき

医療用テープの剥離時にスキンテアが発生することが一番多いです。

サージカルテープなど粘着力のあるテープを使った時、余っている皮膚も一緒にテープとくっついてくることありませんか?それに気づかずに、勢いよく剥がしてしまい「あっ!」と思った時にはめくれてしまうこともあります。

〈予防法〉

・剥離剤を使う

・テープの端につまみを作っておく

・そもそもテープを使わない(包帯などで代用する)

・シリコンテープなどの粘着力の弱いものを使う

医療用テープは様々な状況で使用しますし、剥がす際はスキンテアを意識してそっと剥がしてほしいと思います。

テープを貼る時も、ガーゼを押さえつけないように、テープが突っ張らないように貼りましょう

今は、シリコンテープなど皮膚に剥がしやすいテープもありますが、それを扱っていない病棟もありますよね。私の勤務する病棟も扱っていません。剥離剤もありません。ですので、創傷にテープ固定はできるだけしないようにしています。

ですが、点滴のルートを固定する時はテープ固定が必要です。点滴を剥がすときは本当に気を遣います。そっとそっと、危険と判断した時は湿らせたガーゼで粘着面を拭きながら剥がしています。

オムツ交換などの体位変換時

体位変換をする時、腕などを掴む・寝衣だけを持つ・横に向けた時に柵にぶつかるなど、摩擦やずれを生じやすい方法で行うとスキンテアができやすいです。

〈予防〉

・肩や骨盤などの大きな関節を支える

・腕や脚は下から支える

寝衣だけを掴んで横を向けた時に、後から寝衣にジワッと血がにじんできた!ということもあります。大きな関節を支える癖をつけてほしいと思います。

新人ナース
新人ナース

体位変換の時に起こるスキンテアは、こんなことで?と驚くほど力を入れていなくても起こるんですね。

いすず
いすず

摩擦やずれの力でおこるので、力を入れていなくても勢いよく服を引っ張れば、高齢者の脆弱な皮膚にスキンテアを起こすだけの摩擦になることもあります。服ではなく体を支えることで防げるならそうしたいですよね♪

体位変換をする時は、服による摩擦でスキンテアができやすいです。『スキンテア予防に体位変換で気をつけたいこと』に詳しく書いています♪

ベッド柵などにぶつける

介護用ベッド柵の画像

体位変換時などに横に向けた時や、認知機能低下などによって患者さん自身でぶつけてしまうこともあります。体位変換時に多いのは、膝です。

床頭台やタンスなどの角にぶつかる可能性もあります。

〈予防〉

・体位変換などの介助時は柵を外す

・患者さん自身でぶつけてしまうときは、柵に保護カバーなどをつける

・アームカバーやレッグウオーマーなどを使用して肌の露出を減らす

・タンスなどの角には保護クッションをつける

柵に当たりそうな処置をする時は外す、患者さん自身の肌を保護するなどで対策をします。

いすず
いすず

普段生活している中で何か硬いものに膝をぶつけた時、しゃがみ込むほど痛くないですか?

新人ナース
新人ナース

痛いです。ぶつけたところを痛みがやわらぐまで擦ってます。

 

 
いすず
いすず

私たちは動けるので、そうして痛みを和らげることができますが、寝たきりの患者さんはそれができないんですよね。だからこそ、ぶつけないように前もって対策が必要ですね。

ぶつけただけでも痛いのに、その上スキンテアが生じて皮膚がめくれてしまうと、もっと痛いですし、いつまでもズキズキ・ジンジンしてしまいます。ですので、気を付けて行いたいケアの一つです。

乾燥肌への対策

皮膚の乾燥を防いで、皮膚のバリア機能を上げるために保湿はとても大切です。

保湿剤は大きく2つに分けられます

1:エモリエント効果のある保湿剤

 皮膚の上に膜を張って、皮膚の水分を逃がさないようにするもの

 例えば…ワセリンや椿オイルなど

2:モイスチャライザー効果のある保湿剤

 皮膚に水分を与えてバリア機能を保つもの

 例えば…尿素製剤やヘパリン類似物質、市販の保湿ローションなど

 

両方使うときは、モイスチャライザー効果の保湿剤を塗ってから、エモリエント効果のものを塗ります。

いすず
いすず

ワセリンなどは固いので、手のひらでよく伸ばして緩めてから塗ってくださいね♪

保湿剤の塗り方は?

ほとんどの人は、皮膚に刷り込むように、塗っていませんか?

例えば、上肢なら肘から手背へと塗りませんか?下肢なら膝から足背へ。

でも実は、加齢とともに減っていくキメ(皮溝)は主に横向きになっています。

なので、保湿剤は縦向きに塗るよりも、横向きに塗る方が効果はあがりますよ♪

いすず
いすず

横向きに、そっと押さえるように塗ると保湿効果UPしますよ♪

保湿剤の量は?

患者さんの手のひら2つ分に塗る量の目安は

軟膏なら、人差し指の先から第一関節分

ローションなら、1円玉1つ分

ティッシュペーパーがつく位がちょうどよい量になります。

フィンガーティップユニットと言います。

いすず
いすず

ぜひこの塗り方で塗ってみてください。しっとり感が違いますよ♪

 

意外と多いなと感じる量ですが、しっとり感が全然違います。私もハンドクリームを塗る時はこの量を意識して塗っています。冬の乾燥の時期は特にあかぎれができたりしていましたが、この冬はできませんでした♪

まとめ

高齢者はどうしても日々の看護の中で、看護師が手を差し出すことが増えます。よかれと思って行ったケアで受傷させてしまうこともあります。自分のせいで、こんな傷を負わせてしまったと自分を責めてしまう看護師さんもいるかもしれません。

できるだけスキンテアが発生しないように気を配ることは必要です。
ただ、加齢による脆弱な皮膚も原因の一つのため、完全に発生を防ぐことは難しいのかもしれません。

けれど、全く予防できないわけではないので、スキンテアの原因・機序を知ったうえで、スキンテアの予防をしてほしいと思います(^^)v

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