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スキンテア予防に体位変換で気をつけたいこと

看護師の画像 看護
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スキンテアは、一時的な外力によって摩擦やずれが生じて起こる皮膚裂傷です。

寝たきりの患者さんの体位変換時は、摩擦やずれが起こりやすいので特に注意が必要です!

寝衣だけをもって体の向きを変えたり、サイドレール(ベッド柵)を外さずに行って、患者さんの膝などがぶつかったりして生じやすい状況になっています。

スキンテア予防として体位変換で特に気をつけたいことは、服だけを持って向きを変えないこと、服だけを引っ張らないことの2つです。

体位変換で気をつけたいこと

指さしている看護師の画像

体位変換で気をつけたいことは、

服だけを持って向きを変えいこと

服だけを引っ張らないこと

体位変換は、寝たきりで自分で寝返りができない場合とても必要なケアの一つです。そのケアで、スキンテアを生じてしまうと患者さんも痛くて辛い思いをしますし、私たちケアを行ったものも自分を責めてしまいます。

高齢の患者さんの皮膚は弱く破れやすいことも多いので、完全に予防ができるとは言い切れません。でも、気をつければ防げることは、やるべきだと私は思います。

体位変換って、体全部を一気に横へ向けると、患者さんはそれだけで怖いんですよね。自分で寝返りをする時、下半身から動きはじめて、上半身を動かしているはずです。

介助でも同様です。

体を動かす前に、頭を向く方向に向けて、下になる方の上肢を出しておくなど向きを変える準備をしてから、①骨盤を動かして②上半身を横に向けると患者さんは安心ですし、楽ですよ♪

いすず
いすず

体位変換は大きな関節を手で下から支えて、愛護的に行いましょう♪

体位変換に、寝衣だけを持って勢いよくガッと体の向きを変えているのを時折見かけます。これ、患者さんにとって、不愉快以外のなにものでもないと思うんです(/ω\) それで、寝衣の中で皮膚が擦れて、上腕の皮膚にスキンテアができたこともありました。

患者さんの腕を上げる時も腕を下から支えましょう。

以前、腕の位置を直すのに、袖の服だけを掴んで上に腕をあげていた新人さんがいました。患者さんの腕はモノじゃないので、ちゃんと下から腕は支えます♪

特に気をつけたいのが、横を向けた時に下になる側の上肢です。

上肢を出しておかずに側臥位にすると、肩口の服が捻れ腕も服も突っ張っていることあります。この場合、前腕は外に出ていても、上腕が体の下敷きになっていることもあります。

この状態も良くないのですが、

それに気づいて、服だけを引っ張ったら、それが摩擦になってスキンテアができる可能性があります。腕を下から少し持ち上げて、服を元に戻してほしいと思います。下から持ち上がらないほど体の下に腕が入ってしまっているときは、一度体を戻してやり直す方が安全です。

特に高齢で寝たきりの方の場合、肩関節も拘縮している可能性もあります。無理に引っ張ると脱臼や骨折の可能性もあり危険です。

多少動ける方は、サイドレールを掴んでもらって、できるところまで自分でしてもらいましょう♪
自力での寝返りができない患者さんの時は、サイドレールを外すことも忘れずに。

寝たきりの患者さんの場合、体位変換をした後に体を支えるためのクッションを入れて褥瘡予防をしています。褥瘡予防の他にもポジショニングには呼吸を楽にしたり、拘縮を予防したりする役割もあります。『ポジショニングのためのクッションを入れる時の注意点3つ』に書いています♪

スライディングシートの活用

今は体位変換の時にスライディングシートの導入をしているところも増えていますね。私の勤務する病院はまだ導入していないので、よりスキンテアのリスクは高いのだと思います。

スライディングシート導入予定がないなら、聞こえは悪いですけどゴミ袋2枚でも効果あるんですよね。その時はできるだけシャカシャカした安ものの方がよく滑ります♪

滑るコツは、頭まで敷くことです。足までは敷かなくても、臀部までシートに載っていれば十分です。体の下に全て入れ込まなくても良く、自分の立つ方から、少し入れ込めばOKです。

ただ、慣れていないうちは勢い余って頭をぶつける可能性があるので、枕などで保護しておく方が良いかもしれません。

そして移動も移乗も、患者さんに恐怖を与えないように、ゆっくりと…

研修に行った時に、スライディングシートを使わせてもらったことがあります。こんなに力入れずに水平移動ができるの!?と驚きました。

患者さんを持ち上げることで、患者さん自身も怖いですし、介助する側も腰痛リスクがあります。スライディングシートのように、滑らせて移動することは、摩擦の軽減にもなるし、患者さん・介助者共に体に負担がなくて良いですね。うちにも導入してほしいです…

ルールを守ることが大切

手にハートのイメージを包んでいる医療のイメージ画像

私の勤務する病棟での体験談です。

私は、創傷管理関連の特定行為研修を修了していて、スキンテアも創傷ですので発生しないよう指導する立場にあります。一昨年までは、入浴時や移乗時、体位変換時などにスキンテア率が高かったんです。

スキンテア軽減の対策として、この記事に書いたことなどをルールとして、看護師・看護助手ともに守ってケアをするように決めて実行しました。

初めは、なかなか浸透せずスキンテアができた時の状況を確認すると服引っ張った、柵外してなかったからぶつけたなどルールを守れていない時に発生していました。ルールを決めたところで、守られないと変わりません。

スキンテア発生の都度、カンファレンスをしたりミーティングをしてケアの方法を確認しました。スキンテアの講義もして、スタッフの知識を深めました。また、初めは私と一緒に処置に入った時だけ、私に言われるからしていた人もいましたが、癖付けって大切です。

慣れてくると、新しく決められた方法が普通になります。発生率が減っているという結果があると、やる気につながります。その甲斐があったのか、去年のスキンテア発生率はその後激減しています。

「スキンテア」が何でなぜできるのかということをスタッフがきちんと理解し、意識してケアを行ったことが、減少した要因だと思います。意識するのとしないのとでは、ケアの仕方は大きく変わります。

まとめ

一日の中で頻回に行うケアの一つである体位変換。

スキンテアのリスクはつきものですが、摩擦やずれが起きないように気を付けることで防げるものでもあります。一人だけが気を付けても意味はなく、病棟全体で取り組むべきものの一つだと思っています。

スキンテア予防を意識した介助は、結果患者さんの安楽にもつながりますね(*^^*)

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