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認知症患者さんに対する看護~リアリティオリエンテーション~

日めくりカレンダーの画像 看護
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リアリティオリエンテーション(RO)というのをご存じですか?認知症の中核症状の一つに見当識障害があります。

リアリティオリエンテーションは、現実見当識訓練と言われています。日々の生活の中で、見当識の状態を観察して修正することで、認知症の進行を遅らせようという働きです。

見当識障害とは

高齢者の人形の画像

見当識障害は、 “今いつか”“ここはどこか”がわからなくなる状態です。
症状は、時間→場所→人物の順で現れます。認知症の初期から現れてゆっくり進行していきます。

夜中に朝だと思って活動し始めたり、夜中にそろそろ出かけます又は帰りますなどと支度を始めたりするのは、時間の見当識障害の症状の一つです。トイレの場所がわからなかったり、自分の部屋がわからなくなるのは場所の見当識障害の症状の一つです。

見当識障害があると、目が覚めた時に、“ここはどこで、今は朝なのか昼なのかいつなのか、なぜここにいるのかわからない”と不安ですよね。パニックになってしまいます。

ある程度進行した認知症の方にとっては、毎日関わる看護師はもちろん、家族も“初めまして”の状態のこともあります。

それなのに知らない人(受け持ち看護師)に、なれなれしく話しかけられるわ、布団をめくられ血圧などを突然測られるわ、
突然オムツを開けられるわ、なんてことがあると…

患者さんにとっては、今起こっていることが理解できずに混乱し、恐怖や不安を起こしてしまうのも当然だと思います。

リアリティオリエンテーション(RO)とは

リアリティオリエンテーションには、24時間リアリティオリエンテーションと、クラスルームオリエンテーションがあります。

見当識障害に対して、時間や場所などを繰り返し伝えて、記憶の中の見当識を強めようとする訓練です。

24時間リアリティオリエンテーション

日常生活の中に時間や季節を取り入れていきます。

例えば、「朝食を配膳した時に、朝8時になりましたよ。朝ごはんにしましょう」
「今日は、5月5日なので、こどもの日ですね」
「21時なので、そろそろ寝る時間ですね」など季節や時間などを会話に取り込んで話をします。

これをケアするときに必ず行います。「今」を伝えていきます

新人ナース
新人ナース

例えば、「ごはんですよ」と配膳するのではなく、「〇〇さん、朝ごはんですよ」と配膳するということですね♪

いすず
いすず

そうです♪これを関わる職員がそれぞれそのたびに行えば、1日の中でたくさんの「今」を伝えることができます♪

部屋に、時計や日めくりカレンダーなどをわかりやすく置くことも効果的です♪

人物の見当識障害のある方に話しかける時は、自分から名乗った上で話しかけるようにします。

その会話の中で、間違いを指摘するのは避けることと、幼稚な話題や言葉かけにならないように気をつけたいです。
また、今日は何日ですか?今どこにいるかわかりますか?などの試すような質問はよくないです。こちらから伝えていくというスタイルで行います。

クラスルームオリエンテーション

少人数で決められた時間決められた場所で行うもので、ケア提供者が進行し決められたプログラムをくり返します。

5~8人ほどの認知症の方とスタッフ2名あたりで行う少人数なので、コミュニケーションがとりやすく気持ちの共有ができやすいです。

まとめ

療養病棟などでは認知症の患者さんと関わることも多いです。24時間リアリティオリエンテーションならば、病棟単位または、チーム単位で取り入れることができるのではないでしょうか?

スタッフみんなが意識して、声のかけ方を変えるだけでも見当識訓練になります。たくさんの「今」を伝えることができます(*^^)v

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