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DESIGN-R®2020に改定されている

指さししている看護師の画像 看護
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褥瘡状態の評価をするためのツールであるDESING-Rが改定されていますね。どこが変わったんでしょう?

変更点は、深さにDTI疑いが加わったことと、炎症の項目に、クリティカルコロナイゼーション疑いが加わっていました。

変更点① DTI疑いが追加

DTI疑いが追加されています。

DTIは表皮剥離のない褥瘡のみを対象にしていましたが、DTI疑いになると、水疱やびらん、浅い潰瘍も含む広い概念になっています。

今までだと、持続する発赤はDUや、消去法的にd1にしていました。でも、2~3週間後に悪化したときに、DESIGN-Rの点数が、もしd1にしていたら点数がドッと増えてしまうのですよね。

そのため管理状況が悪く評価されてしまっていました。この点を回避できるようになります。

DTI疑いのアセスメントは4つです。

1.視診:深部損傷褥瘡(DTI)疑いを含む急性期褥瘡の所見は、発赤、紫斑、浮腫、水泡、びらん、浅い潰瘍などがある。NPIAPの定義では、皮膚が濃い赤色、紫、栗色の変色や、血疱の所見があるとされるが、急性期の皮下脂肪組織の変化は視診のみでは把握しにくいため、経時的な観察や触診を併用して判断する。
2.触診:皮膚の硬さや皮膚温、疼痛も合わせて観察する。皮膚温にはサーモグラフィ所見もほy所的に活用する。
3.画像診断:①X線単純写真、CT、MRI、③超音波画像診断法
3.血液科学的検査:血清中のクレアチンホスホキナーゼの使用が有用
4.観血的な処置
5.経時的な観察(毎日アセスメントを行う)

出典:褥瘡状態評価スケール 改定DESIGN-R®2020コンセンサス・ドキュメント.一般社団法人日本褥瘡学会編集.照林社.2020

エコーがあるとわかりやすいのでしょうね♪私の勤務する病院はエコーないのです。エコーがない場合は、持続する発赤で色などが怪しかったり、水泡や浅い褥瘡でもDTIを疑った観察をしている方が良いです。そして、触れてみることが必要です。

また、いつから疼痛の訴えがあったのか、いつから発赤ができているのかがわかるように看護記録に記載することも大事です。

変更点②クリティカルコロナイゼーション(臨界的定着)疑いの追加

クリティカルコロナイゼーション疑い(臨界的定着疑い)は、感染ではないので明らかな感染徴候はでていません。細菌が増えてきてもう少しで感染してしまう状態のことです。

炎症や感染等の変化に気づかずに、同じケアを繰り返していても治癒が遅延してしまいます。治癒が停滞または悪化する時は、この臨界的定着を疑います。

DESIGN-Rでは、I3の様に明らかな感染徴候はないけれど、ⅰ1の様に局所の炎症徴候もない…分類に迷う褥瘡です。

アセスメントは2つです。

1.視診・触診
 ・創面にはぬめりがあり、炎症が持続しているため浸出液が多くなる。
 ・肉芽が形成されている場合は、浮腫性で脆弱である。
2.細菌学的検査
 ・組織中の細菌学的検査は、確定診断としては推奨しない。
 ・臨界的定着の本体であるバイオフィルムの検出には、以下のような簡便な手法が考察されている。
 ・滅菌されたメンプレンシートを創部に10秒間貼付する。専用の前処理液・染色液・脱色液によって合計2分間処理することで、創面のバイオフィルムを可視化できる。

出典:褥瘡状態評価スケール 改定DESIGN-R®2020コンセンサス・ドキュメント.一般社団法人日本褥瘡学会編集.照林社.2020

表記する時は、Iのところに、I3Cと記入します。

膿性(クリーム状)の浸出液の付着はこれを疑って、積極的に対処したいです。肉芽が浮腫状な時に、洗浄しただけで出血したり、ガーゼでそっと洗浄後に拭いても出血してしまうことがありました。そういう状態もクリティカルコロナイゼーションですね。

クリティカルコロナイゼーションを生じていると、じつは細菌感染していますから、感染褥瘡に準じたケアが必要になります。

必要なケアは、定期的なデブリードマンですが、これは医師しかできません。又は手順書がでている場合は特定看護師も行えます。

看護師としてできることは、十分な水圧をかけて多量の洗浄液で洗い流すことです。

水道水で良くて、ぬるま湯程度が理想です。熱すぎるのは論外ですが、冷たすぎるのも刺激になり局所の皮膚温が下がり血行が悪くなるので良くないためです。

また、シャワー洗浄が理想的ですが、ベッドサイドで行う時は創周辺の泡洗浄も併用します。洗浄をする時は、創内部ではなく創周囲を泡で洗います

毎日洗浄して、医師の指示の外用薬も塗布して処置をしていても、除圧を心掛けてもどんどん悪化してしまう場合あります。そういう時は、ポジショニングが良くないのか、洗浄が足らないのか、栄養状態はどうかなど、いろいろ悩みますよね。

そんな時に、抗菌薬の使用やカデックスやゲーベンなどの外用薬に変更になったとたんに治癒に向かうときは、クリティカルコロナイゼーションの可能性があります。

詳しくは、日本褥瘡学会の改定DESIGN-R®2020コンセンサス・ドキュメントに載っています。

まとめ

今回の改定で、DTI疑いと臨界的定着疑いが追加されました。DESIGN-Rの評価でこれは…?と迷っていた部分が評価しやすくなりました。

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