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看護師はバカでもなれるもの?

考え事をしている看護師の場増 看護
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世間から、看護師は賢いと言われる一方で、バカでもなれると言われていることがあります。看護師になるのは簡単ではありません。なのになぜ、看護師はバカでもなれると言われてしまうのでしょうか?

確かに偏差値の低い高校出身でも看護師になれていますし、元ヤン出身で看護師になって今やバリバリ管理職として働いている人もいます。

結論から言えば、看護師は高校までの学校の勉強ができなくても、看護師にはなれます。成績が悪い・偏差値が低いことを『バカ』 というのならば、バカでもなれます。

ですが、看護師になるために学ぶのは、高校までの授業内容とは全く違う分野ですし、それなりに難しいです。

看護師はバカでもなれる?

こめかみに手を当て考えている看護師画像

看護師になるためには、国家試験に合格しなければなりません。その国家試験を受験するためには、看護系の学校を卒業する必要がありますので、看護専門学校や看護大学に受かるための学力は必要です。

ですが、看護師になるのは医師や弁護士のように、小さなころから勉強をして高学力をつける必要はありません。例えば近畿にある看護専門学校の偏差値は約7割が45~50です。

看護学校は入ってからが大変なのです。毎日膨大な専門知識だらけの授業は、今までの学校でしていた勉強とは全くちがうジャンルがほとんどだからです。

学校の勉強ができていた人も、下の方だった人も、同じように初めて習う教科です。多少は理科でも習いますが、それを深く勉強していかなければなりません。初めて聞く単語、内容についていくのもやっとです。

とにかく理解・暗記が必要になります。そして鬼のような厳しい実習。その実習に行く前に学校で行う演習も、厳しいものがあります。そういったことすべてを努力と気合で乗り越える力が必要です。看護学校のカリキュラムはかなりハードです。

看護学生は現役ばかりではなく、社会人を経験している人も結構います。私もその一人です。20代後半で看護学校に入学しました。

社会人として働いていると、学校で習ったことなんて仕事で使わなければすっかり忘れています。例えば数学では、分数の計算方法から、英語では過去形すら、『なんやっけ!?』という状態からの看護専門学校受験勉強スタートでした。

それでも、(猛勉強しましたが)看護学校に合格できています。 入学後は、高校までの学校の授業と関係の深い、英語と物理の授業は苦戦をしましたが、専門的な教科は興味深くて看護の勉強は面白かったです。高校までの学校の勉強とは違い、専門的な分野を学ぶところが看護学校です。

看護師になった今は、英語がわからなくても働くことはできます。ただ、忘れられない失敗があります。

新人の頃に受け持った患者さんの人工呼吸器のアラームが鳴り訪室すると、画面に「Filter」と出ていたことがありました。呼吸器に吊っているアラームリストに載っていなくて、先輩に聞きに行きました。

「“ファイター”って画面に出るんですけど、わからなくて教えてください」と。 先輩は無言で呼吸器の後ろを開け、スポンジのようなものを取り出しきれいにして戻していました。

そして一言。 「あのな、あれは“ファイター”やなくて、“フィルター”って読むねん。呼吸器が、誰と戦うねん」と。今となっては笑い話ですけど、恥ずかしかったですねー笑

看護師国家試験も、合格率は90%を超える高確率ですが、内容は専門知識を問う問題ばかりですし、かなりひねった問題もでます。看護師の国家試験は簡単なものではありません。それでも合格率が高いのは、それだけしっかり勉強して準備している学生がほとんどだからです。

なので、学校の勉強、偏差値だけで『バカ』と判断する学歴主義の人から見れば、バカでもなれるということになります。ですが、看護大学や看護専門学校でしっかり専門科目を勉強し、厳しい看護学生時代を乗り切り、国家試験に合格した時点でバカではないですし、むしろ立派です。

看護師に必要な素質

ガッツポーズをしている看護師の画像

高校までの学校のお勉強はたいしてできなくても、看護師にはなれます。看護学校の勉強もコツコツと取り組んでいれば国試も合格することはできるでしょう。看護師には学校の勉強だけではなく、必要なものがあります。コミュニケーション能力、観察力、向上心、判断力、体力、そしてメンタルの強さです。

こういったところも、看護学校で学んでいます。看護学校の授業はグループワークも多いです。グループワークを通してコミュニケーション力や判断力などは上がります。

体力は、自己努力が必要ですが、メンタルは教務や指導者からのレポートや実習記録に対する鬼のツッコミで随分強くなります。(最近は教務も実習指導者もずいぶん優しくなったようです) そういったところも学んでいるので、ある程度看護師は教育をきちんと受けています。

さらに看護師として働くうちに、判断力や観察力、コミュニケーション力などは経験をつむと磨いていけますので、どんどん磨いてほしいです。

ただ、看護資格を取って働く職場の世界は狭く、病院などの施設の患者・患者家族と医療のコメディカルとの関わりの中だけで生活することが多いです。

一般の社会人経験がないためなのか、一般教養や、ビジネスマナー、接遇ができていない看護師はそこそこいます。おかしな敬語を使っていることも。患者として看護師と関わった時にそういったところを感じとった場合、看護師はバカと思われてしまうのかもしれません。

まとめ

看護師に必要な学力は看護学校に入ってから学ぶ専門知識です。たとえ学校の偏差値が低くても成績が良くなくても、努力次第でなることができます。

私のように社会人として何年も経過してから、学校の勉強なんてすっかり忘れてしまっていても、入学後の努力で看護師になることができました。一生懸命勉強し、辛い実習を乗り切り、国試に受かり、勝ち取った国家資格・看護師免許です。プライドもって、看護師として働いていきましょう。

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